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西中 一朗; 永目 諭一郎; 塚田 和明; 市川 進一; 池添 博; 谷川 勝至*; Zhao, Y.*; 末木 啓介*; 中原 弘道*
Proceedings of 2nd International Conference on Fission and Neutron-rich Nuclei, p.494 - 496, 2000/03
近年、アクチノイドの中励起核分裂には、対称に質量分割するモードと非対称に質量分割するモードが存在し、それぞれ異なる切断時形状を経て分裂することが、分裂片の質量と運動エネルギーの測定から明らかになった。この分裂モード間での切断時形状の違いを、対を成す分裂片の変形度の観点から調べるため、Thの陽子誘起核分裂で、分裂片の質量,運動エネルギー,即発中性子数の同時計測を行った。質量数130近傍の分裂片から放出される即発中性子は、モード間で大きく異なり、その差は平均1.5個。エネルギーに換算して15MeVであり、運動エネルギーの違いとよく一致した。一方、対を成す質量数130近傍の分裂片にはほとんど違いが見られなかった。これから、分裂モード間での切断時形状の違いは、質量数130近傍の分裂片の変形度を反映した結果であることがわかった。
大槻 勤*; 永目 諭一郎; 中原 弘道*
Heavy Elem. Relat. Phenom., 1, p.507 - 535, 1998/00
アクチノイドの低エネルギー核分裂に関する最近の研究成果をレビューする。特に対称質量分割ならびに非対称質量分割へと至る2種類の異なる変形経路-二重モード核分裂-の実験的検証について詳しく述べる。また広範なアクチノイド領域を対象にした系統的研究をもとに、核分裂障壁と核分裂核の中性子殻構造の相関について議論する。さらに軽アクチノイド及び重アクチノイド領域での二つの核分裂モードの関連について新たな知見を得たので報告する。
永目 諭一郎; 西中 一朗; 塚田 和明; 市川 進一; 池添 博; Y.L.Zhao*; 大浦 泰嗣*; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 谷川 勝至*; et al.
Radiochimica Acta, 78, p.3 - 10, 1997/00
ウラン、トリウムなどの軽アクチノイド核の低エネルギー核分裂において、しきい値近傍から分裂点に至るまで、少なくとも二つの独立した変形径路の存在を初めて実験的に検証した。またそれぞれの変形過程と対称、非対称質量分割モードとの関連を明らかにした。
永目 諭一郎; 西中 一朗; 塚田 和明; 大浦 泰嗣*; 市川 進一; 池添 博; Y.L.Zhao*; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 谷川 勝至*; et al.
NRC4: 4th Int. Conf. on Nuclear and Radiochemistry, 1, P. A_06, 1996/00
最近、軽アクチノイドの核分裂において、しきい値近傍から切断点に至るまで、二つの変形過程が存在することを実験的に検証し、それぞれの変形過程と質量分割モードの関連を初めて明らかにした。この成果を中心に、これまで原研核化学グループを中心に行ってきたアクチノイド元素の二重モード核分裂過程に関する研究成果をまとめて報告する。
永目 諭一郎; 西中 一朗; 塚田 和明; 大浦 泰嗣*; 市川 進一; 池添 博; Y.L.Zhao*; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 谷川 勝至*; et al.
Physics Letters B, 387, p.26 - 30, 1996/00
被引用回数:44 パーセンタイル:87.58(Astronomy & Astrophysics)Thの陽子誘起核分裂において、二つの独立した変形径路(二重モード核分裂)の存在を初めて直接的に実験で検証した。すなわち、低い核分裂障壁を通る変形過程では核分裂片の殻構造によって安定化の影響を受けあまり変形しないで分裂するが、高い核分裂障壁を通る変形過程では、大きく変形してから分裂する。そして前者の過程では非対称な質量分割を引き起こし、後者では対称質量分割が優勢になることを明らかにした。
永目 諭一郎
Radioisotopes, 44(9), p.677 - 678, 1995/00
核分裂研究での最近のトピックスの一つである二重モード核分裂について解説する。重アクチノイド元素の自発核分裂で得られた最初のデータならびに、原研・都立大グループにより初めて確認された軽アクチノイド領域での二重モード核分裂研究を紹介する。更にこれらのデータをもとに、質量分割に至る複数の核分裂経路の可能性についても述べる。
大槻 勤*; 永目 諭一郎; 池添 博; 塚田 和明; 中原 弘道*; 西中 一朗*
Journal of Alloys and Compounds, 213-214, p.423 - 425, 1994/00
被引用回数:3 パーセンタイル:39.43(Chemistry, Physical)Th及びU陽子誘起核分裂における質量ならびに運動エネルギー分布を飛行時間同時測定装置を用いて測定した。その結果核分裂片の質量数が130近辺において分裂片の運動エネルギー分布に二重構造を見い出した。これは、核分裂時において少なくとも二つの変形状態が存在することを示しており、軽アクチノイド領域における二重モード核分裂過程を実証した。